独言覚書
-ブツクサメモ-
■カナリアは忘れる 2018年03月05日(月) |
ちょっと前に地上波で放送してた映画「北のカナリアたち」を見たんだけど、東映の60周年記念で、メインじゃないけど地元の知ってるとこがロケで使用されたりと興味はあったから興味を持って見てみた。 吉永さゆり氏が20数年前に教えてた分校の生徒の消息を追ってく過程で、その過去の出来事や思いが明らかになる、ミステリ要素もある話。 メイン以外のキャストも豪華で、肝入り感バリバリだけど、過去の吉永氏と現代の吉永氏の違いが髪型ぐらいしかなく、急に始まる過去エピソードで若干の混乱が生じる。 教え子6人のうち、気の優しいいじめられっ子の成長した役を演じた森山未來の演技が映えてた。悪者も純朴な青年もできる演技の幅がすごいね。 個人的には松田龍平が演じてたいじめっ子が成長した青年が、子供の頃の行動から想像する未来とずれて「あー、良いね、良かったねぇ」と勝手に思ってしまった。 全体に散りばめられた「あの日言えなかったことを伝える」「あの日の後悔を溶かす」っていうことを総合すると教え子たちの過去と現在合わせた12人の演技、エピソードはそれぞれ存在感があって良かった。 松田龍平の、一瞬はにかんだような顔で「ごめんな」って手を振った姿が私のベスト。 でも全体的に救いが不足してるように感じるのと、あえて吉永氏でなくても?って気はするが(勿論、退職するような妙齢の女性を美しく演じることには全く問題ない訳だが)、一つこの起用で長所があったとしたら「彼女の清純なイメージが、いくつかやらかしてる彼女の役の聖性を高めてる」ってことかな。 まー、見ててあれだけCM入るくらいならもっと重要人物の掘り下げやっても良かったんじゃないかって思いましたが。 >拍手様 ぽちっとありがとうございます! 急にあったかいけど、油断召されませんように。 |
■カンフーちゃん! 2018年03月17日(土) |
私、すっごい小さいころから中国拳法にときめく心があって、格ゲーで率先して中華キャラ使ったり、自分で描く落書きに中国服のキャラクターを入れたりと、魂の奥底から無意識に入るスイッチがあって。 ところがこれ、ルーツがちょっとあいまいだったんです。 ドラゴンボール(無印)が始まった頃には既にそういう状態だったんで、アラレちゃんの後期に出てきたつんさん一家か、霊幻道士かなとも思っていたんですが、遠い記憶の奥底に「ひらけ!ポンキッキ」の中国数え歌みたいのが響いており、これの正体がなかなかつかめなくていたんです。 決まって同じ時間に流れる曲で、中国のカンフー服を着た男性と、女の子が二人で歌に合わせて演武をする。歌詞は「イーアルサンスー♪ ウーリューチーパー♪(アチョー)」みたいな。 たったこれだけの記憶で、以前は調べても情報に辿り着かなかったんですが、先日調べたら原点に辿り着きました。 カンフーレディー (フジテレビキッズの公式) 実はこれを見つけたときに、映像に辿り着いたことよりも、もっと驚くことがあり。 この映像で套路(型とか演武に意味が近いかな)を披露している男性の方は、松田隆智(りゅうち)さんという中国武術研究の第一人者。 比較的一般に知られているところでいうと、「拳児」という中国拳法漫画の原作を担っていた方です。 https://www.shogakukan.co.jp/books/09193341 これは当時よく解らない武術だった中国拳法を、その歴史と、技の合理的なメカニズムの部分を解説していて、なかなかの良作でした。作画担当の藤原先生の劇画タッチな、リアルよりの描写が実際の技を誇張を少なくよりよく表現しているところも資料価値を高めています。 実際、以前の職場でこの漫画に感化されて李書文直系弟子の流れを汲む方に手解きもらったって人もいたような作品です。 更に、私が拳児に出会ったのは、連載終了から結構経ってから。愛蔵版でまとめ読みしたのが最初だったんですが、それよりだいぶ前にこの松田先生の携わった中国拳法教本「教門 長拳」を購入しているのです。 順番としては、1中国拳法に興味を持つ→2百科事典で見つけた中国拳法の項目で色んな流派があるのを知り、その中で長拳(中でも査拳)が印象に残る→3書店で「教門 長拳」を見つける→4当時学生の自分には若干高かったが、思い切って買う→5拳児の漫画を知る→6松田先生が原作だと知って驚く こういう時系列。 で、最初に戻ると、ひらけ!ポンキッキの「カンフーレディー」に、この松田隆智先生が出ていると。 だからさっきの「1」の前に、「0ひらけ!ポンキッキで松田先生の套路に魅了される」が入ると。 完!成! 中国拳法に惹かれる私のルーツ! 松田先生を起点にループしていたというその事実に、自ら感動を禁じ得ないよ。 良きものは幼児の魂をも揺さぶるよ。 |